崖っぷちフリーランスのほったらかし投資

収入が不安定なフリーランスが、投資で不安を解消!……予定

キヤノンがフルサイズのミラーレス一眼を発表……今後の株価はどうなる?

本日、キヤノンがミラーレス一眼の新たなマウントシステムを発表しました。

発表会には真栄田社長が登壇するなど、かなり力の入った製品だということがうかがえます。

「これまでの(一眼“レフ”)での制約から解き放たれて、今後は自由にレンズの設計などが行える。これまでよりも撮影領域を広げるシステム」とし、一眼レフのEFマウントシステムよりも優れた画質が得られる、と聞こえるようなことを語っていました。

f:id:river-shokai:20180905212153j:plain

 同社は、比較的にマウントシステムの変更/追加を、ニコンに比べると気軽に行なってきました。その中で、今回のRマウントシステムは、同社のカメラ事業を根幹から変えていくものになりそうです。

 

そんな新システムの発表を受けて、同社および、その販売会社であるキヤノンマーケティングジャパンの株価が、どう動いたのかを見ていきたいと思います。残念ながら、新製品の発表会は16時からでした。ということで、新製品の影響が出るとすれば、明日以降ということになりますね。

 

とりあえずは、これまでの株価をチェックしておきます。

 

f:id:river-shokai:20180905211627j:plain

まず本体のキヤノンについては、今年2月の4,000円前後からきれいに下げ続け、今日の終値は3,466円となっています。明日から上がるのか、楽しみなところです。

 

f:id:river-shokai:20180905211629j:plain

キヤノンマーケティングジャパンに関しても同様に、1-2月には3,000円前後だったのが、本日の終値は2,348円と、好調とは言えない状況です。

 

とはいえ、キヤノンは巨大な企業です。カメラメーカーを起源としていますが、今は単純にカメラだけで収益を上げているわけではありません(むしろカメラ事業は赤字なのでは?)。

 

では、カメラ事業は同社の中で、どれほどの事業規模なのか?

 

f:id:river-shokai:20180905211634p:plain

 

同社サイトの個人投資家向けのページを見てみました。全体の連結売上高が4兆800億円。その中でカメラ事業は約7,000億円なので、全体の2割弱、17%強がカメラ事業ということです。ちなみに、カメラ事業との相関が深いインクジェットプリンターなどを含めた「イメージングシステム事業」は、全体の28%です。

 

この規模で、今回の新製品の影響が、どれだけ出てくるのか? また、影響が出るとすれば、発表会直後の明日なのか? はたまた発売される12月以降なのか? 気になるところです。

 

■それで、新製品はどうなの?

 

新製品のボディは23万7,000円前後、レンズは7万5,000円~42万円のものが発表されました。ニコンとは違い、まずはプロを取り込むというよりは、ハイアマチュア層の普及を図っていくという戦略のようです。おそらく、来年には30万円~40万円後半あたりの、プロ機として通用するモデルを出してくることでしょう。

 

この23万7,000円前後の価格にしては、そつのない、キヤノンらしい仕上がりのものを出してきた、という感じです。ボディを握った時の質感もよく、マウントも含めて、さすがキヤノンだなと思わせる頼もしい質感でした。そういう意味では、従来のフルサイズのEFマウントを使ってきたEOSのハイアマ層からの乗り換えは順調に進むことでしょう。

 

また、同社が発表会で語っていたように、APS-CのEOSユーザーが、もう少し良い写真を撮りたいという需要も取り込めるかもしれません。

 

ただし……やはり価格なりだなと感じさせるのが、EVFの見やすさです。特に一眼“レフ”にこだわる人たちを取り込むには、光学VFと変わらない景色を見せてあげる必要があります。その意味では、今回のモデルが搭載したEVFについては、解像度の面では問題ないとしても、レンズの向きを左右上下に振った時に、若干の残像が残ってしまうのが気になりました。まぁでも、こうした点を、ハイアマの方々が、どれだけ気にするかと言えば不明です。

 

新製品の投入によって、とりあえずは、センサーサイズ(フルサイズ)を気にするハイアマ層の、ソニーαシリーズへの流出を食い止める効果はあるでしょう。それが、どれだけ株価に反映されるのかが気になるところです。